医師のための知的生産術:管理しない管理とテンプレートの構築【Obsidian-02】

目次
  1. 1. カテゴリ分けを捨てる「タグ管理」のすすめ
    1. フォルダ構成は最小限に
  2. 2. テンプレート機能による入力の標準化
    1. テンプレートノートの作成
    2. プロパティタイプの変更
    3. テンプレートの自動適用設定
  3. 3. 画像埋め込みの最適化
    1. 3.1 保存先の固定
    2. 3.2 Image Converterの導入

前回はObsidianのインストールとフォルダを開く工程までを解説した。今回は、増え続ける情報をいかにストレスなく整理し、活用可能な状態にするか。その核心となる「タグ管理」と「自動化の設定」について触れていく。

1. カテゴリ分けを捨てる「タグ管理」のすすめ

構成に入る前に、ひとつ考えてみてほしい。 「ショック」に関するノートを作った場合、どのカテゴリに分類すべきだろう?

救急科? 敗血症であれば感染症? それとも全身管理という大きな枠組み? 分類のルールを厳格に決めようとすればするほど、ノートを作る際の手が止まる。フォルダ階層が深くなれば、管理も煩雑になる。

私が採用したのは、「そもそも分けない」タグ管理方式だ。

フォルダ構成は最小限に

フォルダは分類のためではなく、「データの属性」を分けるために使う。まず、左上のアイコンをクリックし、以下の4つのフォルダを作成してほしい。

フォルダ名格納するデータ
book医学書などのPDF、文献データ
content自分が書くノート本体
imageノートに添付する画像ファイル
templateノートの雛形(テンプレート)

「ショック」のノートであれば、content フォルダに入れ、タグとして「#救急」「#感染症」「#全身管理」とすべて付与する(実際の記法は後述する)。


2. テンプレート機能による入力の標準化

Obsidianには、あらかじめ作成した雛形を数タップで呼び出す「テンプレート機能」がある。これを利用して、すべてのノートに共通の「プロパティ(属性情報)」を自動で付与する仕組みを作る。

テンプレートノートの作成

  1. フォルダ作成ボタンの左にある「新規ノート作成」をクリック。

  2. 名前を「template」とする(名前は分かりやすければなんでもいい)。

  3. ノートの先頭に、(---)を入力する(カッコは外す)。

入力を終えるとプロパティ入力画面が出現する。ここに、以下の4項目を追加していく。

  • aliases(別名:略語や日本語名など)

  • tags(タグ)

  • source(情報源:文献名やURL)

  • order(並び替え用の数値)

プロパティタイプの変更

各項目の左側にあるアイコンを右クリックし、データ形式(プロパティタイプ)を以下のように指定する。

  • aliases → エイリアス

  • tags → タグ

  • source → リスト

  • order → 数値

完成した「template」ノートは、先ほど作成した template フォルダへ移動させておく。

テンプレートの自動適用設定

作成した雛形を、システムに認識させる。

  1. 設定(歯車アイコン) → コアプラグイン → テンプレート を開く。

  2. 「テンプレートフォルダの場所」で、作成した template フォルダを選択。

  3. 次に、デイリーノート の設定を開く。

  4. 「テンプレートファイルの場所」で template/template を指定する。

これで準備は完了だ。左サイドバーの「今日のデイリーノートを開く」をクリックすれば、自動的にプロパティが整理された新規ノートが立ち上がる。日々の学習や臨床の記録は、すべてここからスタートすることになる。


3. 画像埋め込みの最適化

臨床ノートにおいて、心電図や画像所見、シェーマの引用は欠かせない。しかし、画像をそのまま貼り付け続けると、データ容量が肥大化し動作が重くなる。これを自動で解決する設定を行う。

3.1 保存先の固定

画像がバラバラに保存されないよう、ルールを決める。

  • 設定 → ファイルとリンク を開く。

  • 「新規添付ファイルの作成場所」を「以下で指定されたフォルダ」に変更。

  • 冒頭で作った image フォルダを選択する。

  • 「リンク形式」は「最短経路」「ウィキリンクを使用」がONになっていることを確認(デフォルトなので変更の必要はないはず)。

3.2 Image Converterの導入

画像を軽量なWebP形式に変換、名前とサイズを自動調整するプラグインを導入する。

  • 設定 → コミュニティプラグイン → 「有効化」をクリック。

  • 「閲覧」から 「Image Converter」 を検索し、インストール・有効化を行う。

  • プラグインのオプション(設定)を以下の通り変更する。

  • Filename: NoteName-Timestamp(どのノートに貼った画像か一目で判別可能にする)

  • Conversion: WEBP (75, no resizing)(高画質を維持しつつ軽量化)

  • Resize: Width 300px(ノート上での見栄えを整える)

    • 編集ボタンから Preset name: Width 300px, Width: 300px, Scale mode: Reduce Only に設定。

これにより、ノートに画像をドラッグ&ドロップするだけで、適切なリサイズと軽量化、リネームが自動で行われるようになる。


以上で、Obsidianを機能させるための土台が整った。 次回は、これらの設定を活かして、実際にどのように情報をまとめていくのか、具体的な方法について解説する。